本の概要
世界の様々なサッカーチームのエンブレムとその歴史や背景について書かれている本。
著者紹介
斉藤 健仁はスポーツライター&マンガ原作家。
野辺 優子はフリーの翻訳家。
読んでみて
随分前に購入したものの、パラパラと眺めるだけでちゃんと読んでなかったのだけど、先日読んだ『モダンサッカーの教科書』が面白すぎたので、思い出したように読んでみた。
掲載されているのはヨーロッパの主要リーグであるイタリア(セリエA)、スペイン(リーガ・エスパニューラ)、イングランド(プレミアリーグ)、ドイツ(ブンデスリーガ)、フランス(リーグ・アン)、オランダ(エールディビジ)のチーム、それ以外の国のチャンピオンズリーグ常連の強豪チーム、そしてJリーグと世界各国のナショナルチームだ。
ヨーロッパは陸続きで物理的な距離はそれほど離れていないにも関わらず、サッカーとなると、ポゼッションが目立つスペインや、フィジカル重視のイングランド、守備を重視するイタリアなど、国ごとにプレースタイルの傾向がある。
では、エンブレムはどうかというと、これも面白いことに傾向がある。
国によって傾向がある
スペインには王冠が多いのは、当時のスペイン国王アルフォンソ13世がサッカー大好きでスペイン国立サッカー連盟を設立するなど、スペインのサッカーも大きく貢献した影響があるそうだ。
サッカーのトリビアが豊富
本田佳祐の所属していたACミランと長友佑都が所属していたインテル・ミラノ、この2チームは元々同じミラン・クリケット・アンド・フットボールが母体となっている。外国人の加入問題で内部分裂が起こり、インテルが分離・独立したのだ。
サッカーをカルチョと呼ぶミラニスタと、フットボールと呼ぶインテリスタが、クラブの国際化における改革派と保守派がルーツだったと考えると興味深い。とはいえ今となってはACミランも外国人選手が活躍しているので閉じているわけではないだろうが。
デザインの資料としても価値がある
サッカーのロゴは企業のロゴと比べると少し複雑なものが多いが、エンブレムの成り立ちや歴史的背景の反映のされ方を見るのは面白い。
サッカーは歴史であり、地理であり、教養である
サッカーは世界中で最も普及しているスポーツといっても過言ではないだろう。
僕も子供の時からサッカーが好きなのだが、サッカーは社会や地理を含む教養を身につける上で大きく役に立った。
国としてのイギリス(United kingdam)とイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの関係を知るきっかけになったのもサッカーだった。
各国の代表メンバーの人種や顔つき、体型などでなんとくその国々のイメージが出来上がっていた。ヨーロッパの代表チームに黒人選手やアラブ系の選手が入りだした頃には国際化の流れを感じた。
サッカーを入り口に世界への興味や関心を持ち、好奇心を満たす。
そういう意味でもこのような本は貴重だ。
- サッカーが好きでいろんなチームの歴史や背景に興味がある人
- ロゴやエンブレムのデザインに興味がある人