コロナ後、働き方はどのように変わるのか?様々な視点からのヒント

本の概要

コロナ禍で地方移住やリモートワークなど、ライフスタイルや働き方の見直しが求められている。
僕たちはコロナ後の世界でどのように働いていけばいいのか?
様々な分野の一線で活躍する人たちが、働き方、そして生活の未来について述べている。

著者紹介

山田雄介 編集長

クリスター・ヴィンダルリッツシリウス (KAOSPILOT)
田川欣也 (Takram)
レイ・イナモト (I&CO)
遠山正道 (スマイルズ)
ナレン・バーフィールド (ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)
星野佳路 (星野リゾート)
橋本正徳 (ヌーラボ)
スティーブン・コー (オーライト)
福原志保 (バイオアーティスト)
野田智義 (至善館)
磯野謙 (自然電力)

読んでみて

デザイン、教育、経営者、アーティストと、本当に多方面の人がコロナ後という同じテーマで考えを述べている。いろいろ興味深い考えがある中から、いくつか紹介していきたい。

デンマークのビジネススクールKAOSPILOTの校長、クリスター・ヴィンダルリッツシリウスはコロナ禍でのスクール運営と生徒たちを見ていて感じたこととして、下記のように述べている。

だから変えるべきは、テクノロジーよりもマインドセットのじょうなのでしょう。「いつも通りにできないのなら、違う方法でやってみればいい」「この状況でもできることを探してみよう」そう思えることが大事なステップになるということです。

田川欣也氏はイノベーションが起きるチャンスでもあると捉えている。

波打ち際は、時間や気候によって海になったり、陸になったりするので、環境に揺らぎがあります。その結果、いろいろな環境に対応できる生物が生まれ、その生物が新たなフィールドを開拓していくのです。いま、世界全体が波打ち際の状態にあります。つまり多様なビジネスや技術革新が生まれる可能性が非常に高まっています。

コロナの影響を受けにくい業界もある。
オンライン描画ツール『Cacoo』やプロジェクト管理ツール『Backlog』などを開発・運営する福岡のスタートアップ、ヌーラボだ。そんなヌーラボもオフィスの在り方について検討していることがあるらしい。

いま思考実験しているのは、スモールオフィスを複数箇所につくること。<中略>会社の集会所となるようなオフィスをひとつつくり、小さいワンルームのようなオフィスを3つほど借りて運用してみるのはどうだろうと考えています。

新型コロナウィルスの蔓延によって移動や経済が制限される中、これまでの働き方になんらかの違和感を感じている人は少なくないだろう。生き方や働き方に正解なんてものはないが、時代の移り変わりや社会が変化していくなかで、どのように自分のライフスタイルを変化させるか。

様々な分野から多角的に『今』を切り取った本書から、今後を生きていくうえでのヒントが得られるかもしれない。

こんな人におすすめ!

  • 変化の必要性を感じてはいるが、具体的な方向性が見いだせない人
  • 様々な分野で活躍する人達の考え方に興味がある人