本の概要
最小限の投資と人員で最大限のビジネスを行うための起業スタイルを著者のブルース・ジャドソン氏は『GO IT ALONE起業家』と呼ぶ。
『GO IT ALONE起業家』の定義とは下記の3点である。
- 最小限の投資で事業を始め、創業者が会社を100%所有し、経営を完全に掌握している。
- 1〜6人ほどの少人数で会社が運営されている。
- 創業者は小規模な事業を始めようとするのではなく、事業収益を無限に拡大する前提で働いている。
このスタイルで事業を行っていく上で、何を意識し、心がけて実行していけばいいのか。
それぞれのポイントが様々な事例を交えながら説明されている。
著者紹介
著者のブルース・ジャドソン氏はイェール大学経営大学院の専任研究員で自身も会社の創業者として複数の会社を立ち上げた人物。
読んでみて
GO IT ALONE起業を実現させるには、てこの原理、極限までのアウトソーシング、反復可能であることが重要だとして10の方針をあげている。
- 失敗につながりかねないリスク排除に重点を置く。
- 顧客よりも先に進みすぎない。
- 柔軟性と継続的な改革に徹底してこだわる。
- 自らの規模に関係なく事業を拡大させる。
- 試してみる姿勢を忘れない。
- 時間に縛られない。
- 新しいテクノリジーを使いこなす。
- 小さな一歩から始め、積極的に行動する。
- 決意を再確認し、「なんとしても道を見つける」と誓う
- 既成の製品とサービスだけを利用する
この本の中で繰り返し書かれていることは一貫している。
それは、アイデアのブラッシュアップと、そのアイデアを実現可能にするためにアウトソーシングするサービスの選定に時間をかけ、それ以外の自分の苦手な部分に無駄な労力をかけないということだ。もしも10年前にコストが理由で諦めたビジネスアイデアがあったとすれば、今ならとても安価にそれ以上のことができるかもしれない。それくらい技術革新は早く、今では無数のサービスがインターネットで見つけられる。
言い換えてみれば『選択と集中』であったり、『リーン開発』のような考え方に近いとも言える。
そしてこの本はそれぞれの大事な考え方の参考になる事例や参考書籍が紹介されているので、自分のアイデアに照らし合わせて考えるにはもってこいなのだ。
起業を考えている人。起業が頭の片隅にある人は読んでおくと無駄な回り道をしなくてすむかもしれない。
こんな人におすすめ!
- いつかは自分でビジネスをしたいと思ってる人
- 実現したいアイデアはあるが、お金が足りないと思っている人