とにかく沢山の洋書を読むことで複合的な英語力を高める英語学習法

本の概要

やさしい英語の本をたくさん読むことによって、“使える”英語を無理なく身につけられる「英語多読法」。多読指導の第一人者・古川昭夫が、自ら主宰する学習塾SEGでの指導経験と実績から、その理論と実践方法を語る。2002年の多読クラス発足以来、著者をはじめとする講師たちの最新の指導実績に裏打ちされた、英語多読法が一冊でわかる入門決定版。

著者紹介

古川 昭夫は中高生向け学習塾・科学的教育グループSEG主宰。

読んでみて

気になったペーパーバックを抵抗なく読めるようになりたいと思い、今年から洋書を読み始めた。以前、多読の本を読んだことがあって、一時期は薄さ3mm程度の簡単な洋書に取り組んでいた時期もあった。
今年から積極的に洋書の読書に取り組むにあたり、多読についての復習も兼ね読んでみることにした。

英語多読とはなにか?

英語多読とは、比較的内容のやさしい洋書を大量に読むことで、自然と複合的な英語力を高めようという学習方法。
知らない単語が出てきた時には、辞書を引かずに前後の文から意味を読み取ったり、何度も同じ単語にふれることで文章を通して自然と言葉の意味を覚えていくという特徴がある。

ただし、やみくもに洋書を読んでも英語力が上がるわけではない。
そこで提唱されているのが、未知語の割合が20語に1語(5%以下)程度の本で年間30万語以上の多読を行うということ。

語彙レベルの高すぎる本だと、前後の文脈から意味を読み解くことができないため、結果的に非効率になってしまう。効果的な英語多読を行うためには『読書量と理解度』のバランスが重要で理解度は7〜9割以上の本を選ぶのがいいそうだ。

英語を読むための能力

本書の中で英語を読むための力として下記の4つを上げている

  1. 文脈力
  2. 連語力
  3. 単語力
  4. 文法力

文脈力とは話の流れを理解するうえで必要となる常識や予備知識、背景知識のこと。連語力とは特定の単語が出てきた時に一緒に使われることの多い単語が瞬時に連想できる力。単語力はどれだけ言葉を知っているか。文法力は文の構造を理解して正しく読み解く力のことである。

多読三原則

英語の多読を広めるきっかけとなった『快読100万語!ペーパーバックへの道』の著者、酒井 邦秀さんが提唱する英語多読の三原則として下記のものがある。

  1. 辞書は引かない
  2. わからないところは飛ばす
  3. つまらなければやめる

本書では、この三原則を補足するような形で著者の古川氏も三原則を提唱している。

  1. 辞書は引かず楽しめるものを読む
  2. わからないところをつなげて読む
  3. 自分が面白いと思う本を選んで読む

基本的には同じような内容だが、元々の三原則では誤解されかねない部分がカバーされているのでこの三原則を意識して多読を行っていくのがよさそうだ。

今、自分が読んでる本は興味深く、楽しめてはいるものの、少しレベルが高い気もする。少しレベルを下げたほうが語学力アップにつながるかもしれないので、今後は意図的に優しい本も織り交ぜていこうかと思う。

巻末には多読を始めるにあたり知っておきたい基本単語集や、多読初心者に向いている出版物のシリーズについても解説しているので英語力アップのための多読に興味のある人は読んでみると良いだろう。

こんな人におすすめ!

  • 英語力を高めたい人
  • 洋書を読むモチベーションを高めたい人